大雲取谷
記 録 川野
時 期 平成19年7月7(土)~8日(日)
参加者 川野、月野、坂本、小林、貴堂、森田
行 程
7/7相模原ダイエー前6:30==古里7:30~40==日原8:10==日原林道富田新道入口8:40~9:10--唐松橋9:20--入渓開始9:30
--最初の滝(小魚留ノ滝)9:40~10:10--長沢谷出会10:10~15--右岸ガレ10:30~40--右岸大ガレ10:50--堰き止められた
淵11:00~25-7二条ノ滝上12:05--権衛谷12:15--ビバーグサイト13:20
7/8 幕営地6:50--6m滝6:55--小雲取谷出会7:30~40--S字峡終り8:00--幅広8m滝9:00--六間谷出会上9:30(遡行完
了)~10:05--大ダワ林道10:15--長沢谷11:25--日原林道11:30--駐車位置1150~12:00--もえぎノ湯13:00~14:50--相模
原16:30
7/7 曇
予め奥多摩ビジタ-センターへ確認はしていたが、日原林道は大ダワ林道入り口まで車の通行ができたので大助か
りであった。富田新道入口周辺には充分な駐車スペースがある。
富田新道を10分程度下ると日原川上流にかかる唐松橋(吊り橋)に着く。渡った右岸から入渓した。沢は狭くなったとこ
ろで水量は多めだろうと感じた。直ぐ右に曲がると小魚留ノ滝がかかって釣り人が1人いた。広くて大きい釜で壁は登
れそうにない。手前右のルンゼ側から巻いた。取り付きが悪いので貴堂さんにロープを出してもらう。間もなく長沢谷出
会いの二俣(1:1)となり愈々大雲取谷である。左からの崩壊地を過ぎると直ぐまた左から大崩壊地となる。谷を埋め
尽くした状態で、倒木が滝であったであろう狭い谷に倒れこんで塞いでいる。倒木の中を縫うように抜け落石の上を歩
く。水は伏流している。この大崩壊地の末端は、小滝の下部がせき止められて大きな淵となっている。深くて底の泥が
抜かり込みそうである。何とか左壁をヘツリ、出っ張った壁を一旦乗り越えて水中へ入ろうとするが、ここも脚が届かな
いほど深いし身体が潜り込みそうに感じた。更に先の左壁はホールドが少なくて薄く、泳ぐしかないか!と思ったが上
部の潅木にかかった6mmのロープが見えたので、貴堂さんに更に登って垂らすように頼んだ。ロープを使って振り子で
越したが長さが少し足りず腰まで浸かった。結局みんな胸まで浸かってしまった。最初から泳げばよかったかもしれな
いが、入ると直ぐ濁るし、入渓して間もないし、まだ先が長いので嫌だと思ってしまった。それとみんな泳げる自信があ
ったか?疑問である。皆には確認はしていないが。
二条7mの滝はロープを出して真ん中から登ると直ぐ2段10mを持つ権衛谷が合流する。深い大きめの釜を持った小滝
では右をヘツリ、ツルツルのヌメる斜度のある岩でリーダーが油断して足を滑らしドボーン、再度挑戦してクリアー、そ
の間我々は左を巻いた。ロープを出してくれたので坂本さんが挑戦したがドボン、右が直壁で手掛かりがないのが厳し
いようだ。その後も連続する小滝に深い釜、ゴルジュ、ゴーロを織り交ぜた沢を美しい渓相を楽しみながら遡る。ガイド
ブックでは吊橋がかかって登山道が横切るとあったが、吊橋はなく気がつかなかった。途中キャンプ適地が2箇所あっ
たが見送って行くとまもなく、左側に3m位の一段上に広目の平地を持ったビバーグ適地があり、貴堂リーダーが本日
の幕営地とする宣言をした。直ぐツエルトを3張り設営した。それから薪拾いをして焚き火を始める。殆んどの焚き木は
湿っているのでオキが充分できるまで時間を要した。フイゴはないが坂本さん持参の団扇で懸命に熾す。一方、月野さ
んと貴堂さんは上流へ釣りに出る。貴堂さんが次々に岩魚を釣っては見せにきて沢へ放す。塩焼きする筈なのだがな
ー?と思いきや、奥多摩では15cm以下は放すマナーになっているそうだ。
漸く20数cmの岩魚が一尾釣れた時点で時間切れ、これを串刺しで塩焼きにして古希の記念にと川野が頂いた。焼具
合といい塩加減が最高で美味で感激した。いよいよ焚き火も最高潮となって、持参の焼酎1.8?を空けて盛り上がり、坂
本さん献立のうなぎ丼で栄養をつけ21時過ぎに寝た。
7/8 曇
4時30分にトイレ起床するとわが隊の釣師はもう活動していた。幕営地を発つと直ぐ2条6mの滝に出会う2条といっても
中央も水流がある、何とか登れそうだが大きな釜が深く首まで浸かるか泳ぐしかない、朝から泳ぐのもなぁー・・で左を
巻く、巻き道のトラバースも悪いが、下りも悪い。ただし、6mmのロープが垂れていた。広幅の滝などもあり快適に進ん
で左から倒木が折り重なった小雲取谷出合に着く。次ぎに出てくるS字峡は水量もあって中々面白いゴルジュ帯であっ
た。快調に遡りS字峡終了は8時であった。ここで左手にハッキリした踏み跡があり、貴堂さんが行ってみたら奥へ続い
ていたようで、多量な増水時のまき道かもしれないと判断した。この先では又々小滝の連続で倒木も多いが気持ちよく
遡行していった。結構深い釜も2箇所ほど出くわした。
最初の釜は右の壁を懸命にヘツって森田さんと川野がクリヤーした。他の人は胸まで浸かっていく。小林さんは脚がつ
いたのか?ザックの浮力を利用して泳ぎの姿勢だったのかもしれない。リーダーは水中に入り皆をリードした。次ぎも
面白そうなので、ヘツって越したが思ったより上手くいった。
左岸から芋ノ木窪、トチノ木窪の小沢が入ってから2条8mの滝となる。左側を登ったがロープを出した。(あとで気がつ
いたのだが芋ノ木窪、トチノ木窪ともにこの小沢を詰めれば直ぐ大ダワ林道が横断するのでエスケープに使える)愈々
源頭部の様相を呈してきて、六間谷との二俣にでる。右本流側の直ぐ先で日向窪が流れ込むが、本流ともにヤブ沢の
趣きである。ここを終了点とする。あまりハッキリした踏み跡がなかったが、リーダーが右手の急斜面を駆け上がりトラ
バースぎみの踏み跡らしきをみつけた。(帰宅して改めて地形図を見ると日向窪を詰めても直ぐ大ダワ林道に出られる
と思われる)
ヤッタゾーとみんな満足気な笑顔で、靴を履き替え荷を整えて記念写真を撮り出発した。
大ダワ林道は殆んど沢沿いにクネクネと山襞に沿って、遡った谷を見下ろしながら緩やかに下っていく。昨夜の幕営地
もハッキリと見下ろせた。また谷へ下る明瞭な踏み跡を見たが、これが吊り橋の登山道と云うものかも知れない。尾根
を乗越すと本格的な下りとなりカヤの巨樹に出会うと直ぐ長沢谷に出る。橋を渡って少し登れば日原林道の車道であっ
た。
沢の中で一泊二日の遡行は貴堂さんを除いて、初めての経験でその素晴らしさを堪能でき、感動と悦びを抱きなが
ら、もえぎの湯で汗を流し帰路についた。
なお、ツエルトによるビバーグ形式で1張に二人で寝たが思いのほか快適に眠れた。シュラフ持参者は1人、カバーの
みが5人、明け方少し寒さを感じたようだが、持っているものをもう少し重ね着すれば問題はない。雨のことを考えると
やはりターブが欲しいところである。気温は朝6時過ぎで14℃であったから最低気温は12~13℃位と思う。7日14時で
18℃、8日10時が16℃であった。心配していた虫は目障りな程いなかったが、翌日には相当アチコチと虫刺され箇所が
見られ帰宅後数日悩まされた。