長い長い関越トンネルを超えるとそこは雨降りだった。14日午前、雨のため土樽駅で待機していると雪に変わってくれた。約2時間ほど遅れて出発。高度計を標高に合わせる。雪は柔らかくすぐにワカンを着けることになった。トレースはなく道標もない中、1:25000地形図(土樽)を見ながら、尾根の取り付き部を見つけことに。先輩諸氏は確信を持って『この尾根だ』。だいたい膝ぐらいまで潜りながらラッセルする先頭を交代しながら尾根道をひたすら登って1040m峰直下に到着。今回の山行の最大の目的である雪洞作りを開始。小さな雪庇の下を2カ所1時間ほど掘り進む。しかし、積雪が例年の半分くらいしかなくすぐにブッシュや小枝が出てきてしまい、2人用くらいしか構築できず、結局テントを設営して泊まることになった。雪洞作り初めての私は、どのような所にどのようにして雪洞を作るか貴重な体験ができた。雪は夜になっても降り続ける。ドドーンドドーン、夜9時ごろよりあちこちから聞こえる。雪崩だ。『ここは大丈夫ですか』『ここは樹林帯なので大丈夫』NHKラジオ夜10時の気象放送を聞いて天気図作り。明日の天気を「くもり」と予想。明日は午前11時まで行けるところまで行って引き返すことに。15日朝5時起床。雪はまだ降り続けている。テントの周りは30㎝程埋まっている。私はこの雪ではこれ以上先に進むことができないのではないか?今回はここで撤退、と思っていた。今日の山行はどうしますか。『撤退はしない。行ける所まで行く』(宮下さん)。新雪30㎝くらい積もった中を先に進むことになった。棒立山直下の急斜面では腰近くまで埋まりながらのラッセルとなる。私も先頭でラッセルしなければと思ったがワカンの着け方がうまくないこともあり先輩諸氏より深く潜ってしまうので後ろから歩かせてもらうことになった。次回は先頭を歩けるようにしたいと思う。そのうち雪も止み晴れ間も見えるようになる。所々で見える雪庇やすばらしい雪景色に感動しながら気持ちよく歩いてタカマタギ山頂まで行くことができた。下りはワカンをはずして木の近くではズボッと潜りながら1040m峰の幕場に、さらに、汗をかきながら一気に土樽に駐めた車へ帰った。
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