会山行 創立55周年記念行事
大山古道踏査(第五行程)
期 日:2022年5月22日(日)
メンバー:カツ(L)、mt_Kawani(SL)、ムラビト、森のプ~さん(記録)、デラ、和代、篠ちゃん、
Mario(HP)
交通手段:公共交通機関
気 温:24℃
天 候:晴れ後曇り
目 的:創立55周年記念登山を通して会員相互の親睦を深めるとともに、歴史的価値の高い「大山
古道」について、踏査方式による地域研究を行う。
行 程:バス移動:小田急伊勢原駅集合-温泉入口バス停
徒歩移動:温泉入口-鉈切不動尊-上粕屋一ノ郷集会所-大山IC-石倉-比々多神社
(子易明神)-這子坂-三の鳥居-二つ橋-大山公民館-阿夫利神社社務局
-愛宕橋-良弁滝/開山堂-豆腐坂-独楽参道入口-大山バス停
バス移動:大山バス停-小田急伊勢原駅解散
装 備:雨具、帽子、手袋、ヘッドライト、タオル、地図、資料入れ、虫よけ、昼食、行動食、
飲料水、ストックなどハイキングに必要なもの
記 録:
心配されていた雨も未明には上がり朝から快晴、絶好の古道探索日和。
伊勢原駅8:05発日向薬師行きのバスに乗り、駐在所前の温泉入口バス停で下車、農協前にてカツさんが、準備してきた資料を配布しミーティングを開始。
温泉入口のT字路を入って行くとすぐにもう一つの温泉入口のバス停があり、ここが前回の終了地点。今回はここからスタート。
まずは一之郷方向へ進み、鉈切不動尊を目指す。途中には石碑や石仏、道祖神などが点在しており古道の雰囲気を醸している。
アーチェリークラブの手前にある路地を右折すると木々に囲まれた中に階段がある。階段上部には鉈切不動尊が鎮座しており、その傍らに5基ほどの石碑石仏が佇んでいた。
入ってきた路地を戻り、次は石倉を目指して歩く。資料によると大山道は伊勢原射撃場の入り口から路地に入り、徳雲寺の前を通っている。
中丸バス停辺りは新東名伊勢原大山ICの工事で造成されてしまい、古い道は消滅していしまっているのは残念だ。残っている旧道を出来るだけ辿り、途中上杉館跡があったと言われる産業能率大学にも立ち寄った。
御伊勢の森から細い路地の様な旧道を歩くと石倉神社に辿り着く。昔の旅人もこの神社でひと息入れたのか、我々も休憩をとる。下の通りを右へ行けば大山方向であるが、一旦左へ行き石倉橋方向へ行く。石倉橋は主要な大山道が集結する交通の要衝であり、今は道路拡幅工事のためその面影は無いが、少し離れた場所に石仏石碑群と腰懸不動が移設されている。
石仏と腰掛不動を見学したらいよいよ大山方向へ。
視線を上げると正面に大山がそびえ、大山詣の旅人もきっと同じ大山を見たであろう。
道は緩やかな上り坂となり、道端には道祖神が佇む。東名高速のガードをくぐると正面に子易明神・比々多神社の鳥居が見える。子易明神・比々多神社は昔から安産の神として崇められている。
拝殿にある美人図絵馬などを見学したのち、裏手から延びる坂道を上り招宝山宗源寺に安置されている木造阿弥陀如来坐像を見に行く。この阿弥陀如来坐像は一名「ぼた餅あみだ」と呼ばれているのだが見当たらない。「開けたら閉める様に」と書かれているお堂の戸を恐る恐る開けてみると、いらっしゃいました。かなり立派な金色の阿弥陀如来坐像でした。
元の道へ戻り、旧道の方へ進む。子易地蔵尊を見学して進むと再び比々多神社があり、こちらの比々多神社は小ぶりな神社だった。
路地を右へ曲がりしばらく進むと、這子坂が現れる。這って登るほどの急坂(諸説あり)だったらしいが、今はそれ程でもない。途中には水神様とお地蔵様が佇む静かな道であった。
ひたすら旧道を進み諏訪神社を左に見送ると三の大鳥居が見え、大山に近づいている事を実感する。
大鳥居を過ぎた所に小さな石造りの橋がある。舗装道から分かれたところにあるこの橋、橋には何も表示らしきものは見当たらないが二つ橋の様だ。この橋を詠った和歌が残っており、嘗ては険しい参道だったらしい。
二つ橋を過ぎると宿坊が目立つ様になる。各宿坊の囲いには大山講の組織の名前がずらりと書かれており、大変な活気であった事が感じ取れる。
古道はこの辺りから大山川(鈴川)の右岸左岸を縫う様になり、阿夫利神社社務局を経由し、古道に戻る橋の脇に珍しい六角柱の道標が立っている。道標には「おだわらへ六里」等々彫ってあるのだそうだけれど、もう読めなくなっている。また道路を挟んだ向かい側に「禊大滝」と書かれた石碑と大山古道と書かれた指導標がある。道標のとおりなのか、この古道は小田原道として小蓑毛方面からイヨリ峠を経て大山へ通じる道で、いつか歩いてみたい道だ。(ヤマビルがいないときに)
続いて古道沿いに愛宕滝、権田直助墓所、良弁滝を見学する。良弁滝のそばに良弁堂という小さなお堂がある。このお堂は別名「開山堂」とも呼ばれており、大山寺開創の祖である東大寺別当良弁僧正の幼い頃と42歳のときの像が祀られていると聞くが、今日はお堂の扉は開いていない。
良弁滝を見ていたデラさんが滝口の上を見に行ったところ、そこの旅館の女将らしき人が出て来て、お話しているうちにお堂の鍵を開けて下さる事になり、良弁僧侶像を拝見することが出来た。
なんでも、かなり昔からお堂の管理をされているとの事。
余談ですが、筆者はここでヤマビルに足を2か所刺されている事に気付き、靴下が血まみれになっていた。
お堂を見学させていただき女将?にお礼を言って、古道は「とうふ坂」へさしかかる。さすがに豆腐はすすらなかったが、江戸時代の参拝者は手のひらに豆腐を乗せて、すすりながら坂を登っていたそうだ。
坂道の両側には宿坊が軒を連ねており、古の趣がある坂だ。
とうふ坂を登り「千代見橋」を渡ると、今回の旅の終点「こま参道」の入口に到着、その後は大山ケーブルバス停まで戻り、小田急伊勢原駅で解散となりました。
藤野を起点とした大山古道踏査もいよいよ終盤を迎え、大山に近づくとテンションが上がってくるのは、旅する者として今も昔も同じなのかなと思います。
次回は、こま参道から阿夫利神社下社を経て、いよいよ大山山頂の本社を目指して歩きます。
記:Mario
温泉入口のT字路
階段の上の鉈切不動尊
鉈切不動尊内の石仏
静かに佇む石倉神社(階段の上)
石倉橋付近の石碑石仏群
大山へ向かう
日々多神社にて
ぼた餅あみだ
這子坂の標識
三の大鳥居
小さな二つ橋
道の曲がり具合が古道っぽい
橋の傍らに立つ六角柱の道標
小蓑毛とを結ぶ大山古道がある?
吹き出る愛宕滝
水量の少ない良弁滝(水量を絞っているらしい)
開けていただいた良弁堂
とうふ坂の解説板
趣のある「とうふ坂」