－　４月度会山行　－

登った尾根を振り返る

　　西黒尾根を登り、一ノ倉～茂倉岳に幕営、芝倉沢を下降して一ノ倉沢出合いを経て戻る計画として、天候不順予報
のなか早朝４時３０分相模原を車で出発した。
　　小トラブルがあり登山口出発は９時となった。取り付きの急斜面は数十米で雪面となりトレースがなくなった。薮漕ぎ
もあり鉄塔のある尾根へ上がる。以後１１００ｍ辺りまでは夏道も時々現れるが鎖場の岩稜、雪稜の急登となって標高
差１２００ｍを登り詰める。一昨日来の雨でトレースは殆んど消えており、本日は他の登山者もない。雪稜はクラックが
縦横無尽に発生しておりクレバスとなっていく手を遮る。割れ目を避けて蛇行し、あるときは飛び越していく。雪は腐り
かけており、雪庇や深さ３～５ｍもあるクラックに落下しないように細心の注意を払わねばならなかった。しかも、風が
強くなり身体が度々煽られた。
　　しかし、この難局を貴堂さんの適確なコース取りで乗り切った。ザンゲ岩下方１７００ｍ付近より視界も悪くなり、雨
交じりとなってホワイトアウトとなる。最後、肩ノ小屋の所在は３０ｍまで近づかなければ分からなかった。今日は小屋
の脇に幕営することにした。
　　翌朝も視界は悪く天候の回復もあまり望めず、且つ、芝倉沢のクレバス発生が想定されたので、予定を変更して天
神尾根を下山した。芝倉沢下降を果たせず残念であったが、この状況の西黒尾根を登り詰められた充実感は大きか
った。

ラクダのコブへの鎖場と上部	雪庇とクラックを避けてルートを開く貴堂さん
ルート確認	クラックを避けて
ラクダのコブからザンゲ岩方向を望む、クラックが多い	ラクダのコル上でアイゼン登高
岩稜と雪のブロック	クレバスを避けて
ザンゲ岩とクレバス	２０日朝の山頂（視界なし）