2日朝、室堂ターミナルを出て、晴れ渡る青空の下、白銀の世界が広がる室堂平を雷鳥平の幕場に向かって歩き始めると、さっそく白と灰色の斑模様をした雷鳥のつがいに迎えてもらった。今回の山行では、この後も何度も雷鳥のつがいに会うことができた。雷鳥沢キャンプ場の幕場に着く。テントは30張りぐらいあった。すでに70㎝ぐらい掘られた穴を利用させてもらい、少し広げたり平らにして、2つのテントを設営。キャンプ受付小屋には、4つの水道蛇口のある流しと男女各4つずつの水洗トイレが設置されていて快適なキャンプ生活ができた。11時過ぎ、奥大日岳に向け歩行開始。トレースは新室堂乗越までは何本かに分かれて着いていたが、その先は1本になっていて雪は少し締まって蹴りこむと5㎝ぐらい食い込み登り易い。室堂乗越を過ぎるころより風が強くなり寒さを感じアウターを着る。カガミ谷乗越辺りで、奥大日岳から下りて来た一人歩きの男性と会った。『頂上手前の登りに雪庇が伸びいて、トレースはその雪庇のかなり近いところに着いているので数m内側を歩いた方が安全ですよ。』教えてくれた。トレースの上を歩く方が楽であるが、トレースよりずっと内側にあるハイ松近くを歩くことにした。途中でアイゼンを着けた二人ずれの男性に先行してもらう。頂上直下で短いトラバースがあったが、そこは少し雪が凍っていてアイゼンの二人のトレースが役立った。13時半、奥大日岳到着。帰りは念のためアイゼンを着用して下山した。15時半幕場に着く。テントの近くに雪のテーブルとイスを作ってビールで乾杯。夕飯はテントの中で200gのハンバーグと高野豆腐で満腹。19時半消灯。
3日4時起床。天気は予報通り曇り。6時アイゼンを着けて一ノ越へ向け出発。一ノ越で槍・穂・笠・赤牛などが遠望でき感激。春合宿A班は槍に登っているのだろうか。風が少し強くなってきたのでアウターを着る。ここから急登。雪は凍っていて硬い。しっかりアイゼンで蹴り踏み込まないと滑り落ちてしまう。少し緊張しながら登る。中腹で、雪がなく岩が露出する夏道が出てきたので、アイゼンを外して進む。9時45分雄山に到着。360度ガスもなく視界は良く、槍・穂の他に黒部五郎・針ノ木・鹿島槍・五龍等も見え、また感激。硬い雪に覆われているのでアイゼンを再び着けて雄山神社の岩山を巻いて裏側に下りて大汝へ向かう。大汝は雪庇が頂上より高くなっていた。富士の折立頂上直下に付いている10mぐらいのトレースの途中に亀裂があり右側の谷に崩れそうであったので、井山さんが裏の岩場を登れそうなルートがないか見に行った。しかし、なかったのでトレースの上を注意しながらゆっくり進み頂上に着く。下りも同じトレース上を辿って戻る。ここも少々緊張した。富士の折立から左側に落ち込んでいる急斜面をトラバースする。ここの雪は凍っていて硬く締まっていて少々恐怖感を覚えながらアイゼンの爪を雪に強く食い込ませて一歩ずつ下る。大走り分岐手前、風が強い中昼食。真砂山を過ぎ13時40分別山頂上に到着。ここも眺望がいい。天狗平から弥陀ヶ原に続く立山道路がくっきり見える。さらに、少し北峰方面へ進み北側を望むと目前に剣岳が大きな姿を見せてくれた。頂上近くを歩く人の姿も見える。剱御前小屋から少々腐って重くなった雪の雷鳥沢を大股で滑るように一気に下り15時半幕場に着く。今回の山行のメインルートを無事登頂できてビールで乾杯。本日の夕飯はなんと豪華に鰻丼。食当さん有り難う御座います。19時50分消灯。
4日4時起床。天気は曇り。テントを撤収し6時アイゼンを着けて帰宅の途に。大町温泉に寄って、上野原から渋滞の中に入ったものの17時には相模原に着くことができた。
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